映画『人間の条件』を観て ー NO.1
1 しっかりと作ってある映画で当事のことを伝えている。
2 家族がテーマであると思う。当事は、夫婦が別れての生活を強いられる。
各場面で妻への思いが主人公のことば、行動で表現されている。
特に第六部最後の場面、妻への声かけは、人間の条件はこれだとわかりやすく表現している。
ー 人間の条件(1961年、小林正樹監督) 第一部~第六部、を観て ー NO.2(つづき)
3 各部での主人公・「梶」・の 「ことば、行動、考え方」 がどのように人間の尊厳を表しているか、一人の人間の生きた道をたどり考える。
### ?? 第一部 **純愛篇:愛を貫く姿**
* **行動・ことば**
梶は妻・美千子との結婚に際して、満州という厳しい地に赴く決意をする。軍の圧力や職場の偏見の中でも、妻を守り、共に生きることを選ぶ。
* **尊厳の表現**
→ 権威や世間体に屈せず、愛する人と共に歩む決意は、人間の自由意志と尊厳を示す。
### ?? 第二部 **激怒篇:理不尽な現実に対する怒り**
* **行動・ことば**
労働者に対する暴力や搾取に抗議し、現場で人権を守ろうとする梶は、上司や軍に激しく反発する。
「人間が人間を人間扱いしないなら、もう人間ではない!」
* **尊厳の表現**
→ 抵抗することで、人間の平等と尊厳を擁護し、非人間的な制度への怒りを表す。
### ?? 第三部 **望郷篇:故郷への想い**
* **行動・考え方**
過酷な戦地の中でも、妻と共に暮らした日々や日本の風景を胸に抱き、帰郷を夢見る。
「必ず帰る…美千子のもとに」
* **尊厳の表現**
→ 故郷や家族への思いが、極限状況における心の支えとなり、人間らしさを保つ源になる。
### 第四部 **戦雲篇:戦争の暗雲に巻き込まれる中での苦悩**
* **行動・考え方**
部下の命を守るために上官の命令に逆らい、良心の呵責に苦しみながらも人命尊重を貫こうとする。
「こんな命令に従えるものか!」
* **尊厳の表現**
→ 戦争の中で非人道的な命令を拒否することで、人間の良心と尊厳を示す。
### ?? 第五部 **死の脱出:死と隣り合わせの極限からの脱出**
* **行動・考え方**
捕虜収容所の地獄のような環境で、生き延びるために必死に抵抗し、仲間の命も救おうとする。
「生き抜いてやる。生き抜いて、美千子のもとへ帰る。」
* **尊厳の表現**
→ 命を軽んじる状況でも、生きる意志を持ち続けることが人間としての尊厳。
### ?? 第六部 **曠野の彷徨:愛する妻への思いが生きる支えになる**
* **行動・考え方**
凍土をさまよいながら、愛する妻の幻影を見て語りかけ続ける。
「美千子、俺はまだ生きている。必ず帰る。」
* **尊厳の表現**
→ もはや体は限界を超えても、愛と記憶を支えに人間らしさを保とうとする姿が尊厳の証。
全編を通じて、梶は愛・良心・自由意志を守り、理不尽な権力や死に抗い続けることで、人間が人間であり続けるための尊厳を体現しています。
★「梶」 の生きた時代は、全体主義の社会で個人の幸せは軽んじられた。
今は、社会体制が大きく変わり、個人の幸せを大切にする考え方に変わった、
基本的人権を条文に定めた日本国憲法のもとで暮らしている。
私は、7月、75歳の誕生日を迎える。
ALSを発症していることを告知されて10年になる。
ALSの病気は確実に進行している。
全身のどこもうごかせなくなった。反面、記憶・判断力は平常に働いている。
胃ろう・呼吸器をつけてながく生きるという新しいALS観に励まされてここまできた。
福祉サービスによる、多くの支援者にささえられて在宅生活を送っている。
在宅生活では日課、外出、パソコン、車いすにのる時間、など自分に合わせることが出来る。
科学の進歩・社会の進歩のふところ中で、残りの人生を自分らしくすごしたい、
みなさま。これからもよろしくお願いします。
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